東京大学は10日夜、会見を開き、授業料の改定案を公表しました。
それによりますと、授業料を今の年間53万5800円から、国が定める上限の64万2960円まで10万円余り引き上げるということです。
ただ、緩和措置として授業料の引き上げは、来年度から入学する学生が対象で、現在、大学に通っている学生には適用しないとしています。
一方、学生への支援を拡充し、授業料免除の対象を
▽世帯年収400万円以下から600万円以下に拡充するのに加えて
▽世帯年収900万円以下についても、個別の事情に応じて一部免除する方針です。
また、修士課程についても今の学生が標準的に卒業して、大学院を修了するまでは現在の授業料のままで通えるよう、授業料の引き上げは2029年度の入学者から行うとしています。
引き上げによる増収分は、教育環境の改善に充てるとしていて、東京大学では、役員会を経て今月中にも正式に決定するとしています。
東京大学が授業料の引き上げを検討していることをめぐっては、学生から反対や懸念の声もあがっていました。
藤井輝夫総長は「待ったなしで、安定的に教育改善にかけられる費用が必要だ。学習環境を世界に誇れるものにするため、理解と協力をお願いしたい」と話していました。